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薬局薬剤師必見!患者さんからのクレーム対策

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薬局や病院、ドラッグストアに勤めていると患者さんからのクレームはつきものですよね。そんな時に便利なクレーム対応方法を事例付きでご紹介します!薬局やドラッグストアで働く薬剤師さん必見です。

 

クレームの対応の原則

クレームを受けた時は以下の手順に従って対応しましょう。

 

 1.傾聴と共感

まずは患者さんの話を注意深く聞き、内容を正確に把握します。その際途中で遮らず、最後まで話を聞くことが重要です。聞いたあとは「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」「お辛かったですね」など、状況に応じた共感の言葉を伝え、患者さんの気持ちに寄り添います。

 

  1. 事実確認と状況説明

患者さんの話をもとに事実関係を確認します。状況説明においては客観的な情報を提供し、状況を丁寧に説明します。その際は曖昧な言葉遣いは避け、正確な情報を伝えることが重要です。

 

  1. 対応策の提示と実行、謝罪

事実確認の結果を踏まえ、可能な対応策を提示します。その際、こちら側に不手際などがあれば謝罪しましょう。対応策を実行する際は患者さんの意向を確認し、合意を得るようにします。対応策を実行後は、経過を報告し、患者さんの納得を得るように努めます。

 

  1. 再発防止策

今回のクレームを教訓に、再発防止策を検討します。必要に応じて、薬局内の業務フローやマニュアルを見直します。全スタッフで情報を共有し、再発防止に努めます。

 

ポイント

・薬剤師自身が感情的にならない

・患者さんが感情的になっているときは、何を言っても耳に入らないということを頭に入れる

・「でも」「ですが」「だって」という否定語を使わずに患者さんを落ち着かせるようにする

・焦ってすぐに解決しようと思わないようにする

・個人で判断せず、必要に応じて上司や責任者に相談する

・クレームの内容を記録し今後の対応に役立つマニュアルを作成し社内に共有する

 

ケース1:早く薬がほしいと言われたら(待ち時間がかかる)

 1.傾聴と共感

「お待たせして申し訳ございません」「お辛いところ、ご迷惑をおかけしております」等、相手の気持ちに寄り添う言葉を話します。その際途中で話をさえぎらないようにしましょう。

2.事実確認と状況説明

「ただいま、複雑な調剤や多数の患者様の対応が重なり、通常よりお時間をいただいております」「医師に疑義照会をかけており時間を頂戴しております」等、状況を説明します。

3.対応策の提示と実行、謝罪

改めて、待ち時間が長くなっていることを謝罪し、具体的な待ち時間の目安を伝えます。疑義照会の場合は状況が分かり次第、随時報告するように伝えます。そして、待ち時間を了承して頂いていることへの感謝の意を伝えます。

 

ポイント

    多くの薬局ですでに行っていることだと思いますが、待ち時間の短縮のための処方箋送信アプリの使用を推奨したり、受付の段階で時間がかかる旨を伝えたりしましょう。その他にも現在の待ち時間を掲示する、小児科の場合は処方元医師と事前に連携してすぐに薬を出せる工夫をする等、環境整備をすることが重要です。待合室に漫画や雑誌を置いたりキッズルームを併設したりするのも手。加えて、処方内容により順番が前後することもあるということも患者さんに事前に伝えましょう。

 

ケース2:薬の在庫切れに対して怒りをあらわにされたら

1.傾聴と共感

「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」「ご不便をおかけしております」等、謝罪や共感の言葉を伝え、患者さんの気持ちに寄り添います。

2.状況の説明と謝罪

在庫切れの原因を説明します。例えば出荷調整による欠品の場合は「〇〇という薬は、現在メーカーの供給が不安定で、納品に遅れが出ております」といった言い方です。患者さんの多くは薬の供給が不安定であることは大して認識していない方ばかりです。言い訳がましくならない程度に現状に関して伝えてもいいかもしれません。なお、原因が単純な発注のミスの際は素直に伝えてもいいですが、言い方に気を付ける必要があります。

3.代替案の提示と実行

近隣薬局への在庫確認や医師に処方薬の変更に関して疑義照会を行います。その際、各所に電話して調整することから薬がそろうまでに時間がかかることも忘れずに伝えましょう。これがないと二次クレームが起きるかもしれません。患者さんの希望を尊重し、最適な解決策を検討しましょう。

 

ポイント

    医薬品の供給不足による在庫切れはたびたび起っていることかと思います。供給の不安定な薬に関しては処方元の医師に適宜共有しましょう。慢性疾患の患者さんほど「いつもの薬」を求めることが多いかと思いますので、在庫管理を徹底すること、近隣の薬局と良い関係を築き、万一の際は小分けをしてもらえる関係性を持ちましょう。

ケース3:薬局で病状を聞かれることが嫌だと言われたら

 1.傾聴と共感、謝罪

まず、患者さんの気持ちに共感し、不快な思いをさせたことに対して謝罪します。病院でお話しされたことを、再度お伺いすることになり、大変申し訳ございません。」

2.状況の説明

なぜ薬局でも同様の質問をする必要があるのか、理由を説明します。

・「病院と薬局では、情報の共有が完全ではないため、患者様の安全のため、再度確認させていただいております。」

・「お薬の飲み合わせやアレルギーなど、安全にお薬をお渡しするために、確認が必要な項目がございます。」

・「お薬によっては、患者様の生活習慣等もお聞きする必要があるため、再度質問をさせて頂く場合がございます。」
薬局での情報確認が、患者さんの安全を確保するために不可欠であることを伝えましょう。

3.対応策の提示と実行

薬剤師であること、そして薬歴を書く以上は患者さんに受診理由を聞くことは避けられません。ですので、患者さんに理解と協力を求めましょう。

「患者様に安全にお薬を服用して頂く為にご協力をお願い出来ないでしょうか?」

ポイントは簡潔に聞くこと。ダラダラと話すと余計に怒らせるだけです。まれに「マイナンバーカードの連携をしているから、わかるでしょう?」と言われることがあるかもしれませんが、マイナンバーカードで知ることができる情報は、過去に処方された薬の種類、量、服用方法、メタボリックシンドローム健診等の結果、過去の医療費の金額の情報です。患者さんの病名や症状に関しては知ることはできないので、その旨を伝えるのもよいでしょう。

 

ポイント

    薬局は薬と処方箋を交換してもらう場所という認識が強い患者さんほど、こういった発言をする傾向にあります。薬剤師という仕事やその存在意義を知らないため、そこの理解をしてもらえれば、次回からスムーズにいくかもしれませんが、感情的になっている時にその話をしたところで火に油を注ぐだけです。そういう時は簡潔に聞きましょう。患者さんの感情に引っ張られず、「患者」である以上は基本的には体調が悪く心に余裕がない人であるという認識を忘れないようにしてください。

参考:

カスタマーハラスメント対策リーフレット(厚生労働省)

カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(厚生労働省)

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