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薬剤師人材紹介会社の人材紹介手数料相場と返戻金制度

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人材紹介会社を利用して薬剤師を採用すると人材紹介手数料がかかります。人材紹介手数料に関しては業界はもちろん、各人材紹介会社によっても異なります。この記事では、人材紹介手数料の相場と返金制度に関してご紹介します!

 

この記事のポイント

  1. 人材紹介会社の紹介手数料相場は業界や職種によって異なる
  2. ファーマキャリアは「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者」の認定を受けている
  3. 返戻金制度がある会社とない会社がある

 

人材紹介には3つの業態がある

人材紹介会社とは厚生労働省から許可を受けた有料職業紹介事業者のことで3つの業態があります。一般登録型、サーチ型、再就職支援型です。一般登録型というのは企業側と求職者側それぞれの依頼によって就業先のマッチングを行い、求職者の内定が決まったら事業所が人材紹介会社に人材紹介手数料を支払うサービスで、薬剤師の人材紹介サービスである「ファーマキャリア」が該当します。

同じく薬剤師の人材紹介事業を行うマイナビ薬剤師(マイナビ)、薬キャリエージェント(エムスリーキャリア)、ファルマスタッフ(株式会社メディカルリソース)も同様の形態です。

 

サーチ型というのは企業側の依頼によってその企業の出す条件に最適な人物を探し当てて、企業に引き合わせるサービスで、いわゆるヘッドハンティングといわれるものです。

再就職支援型というのは、企業側の事情により依頼されるもので、社員の再就職を支援するものです。

 

一般登録型

企業側と求職者側それぞれの依頼によって就業先のマッチングを行い、求職者の内定が決まったら事業所が人材紹介会社に人材紹介手数料を支払うサービス

 

サーチ型

企業側の依頼によってその企業の出す条件に最適な人物を探し当てて、企業に引き合わせるサービス(いわゆるヘッドハンティング)

 

再就職支援型

企業側の事情により依頼されるもので、社員の再就職を支援するサービス

 

例えば、製薬会社のMRさんの再就職先支援として企業が人材紹介会社と連携して再就職先を見つけるという場合があったりしますよ!

 

 

いずれの業態でも有料職業紹介事業の許可証が必要です。そして、基本的に人材紹介会社は一部を除いて求職者から手数料等を受け取ることはできません。

 

Q2 紹介会社から会社を紹介してもらったのですが、後になって手数料の請求があったのですが?
A2 有料職業紹介事業者は、次の職業に紹介する場合を除いて、求職者から手数料を徴収することはできません。

ア 家政婦(夫)、イ 配ぜん人、ウ 調理士、エ マネキン、オ 芸能家、カ モデル、キ 科学技術者、ク 経営管理者、ケ 熟練技能者

(注1) 上記のアからカまでの職業については、求職の申し込み1件あたり690円(消費税免税事業者は660円)を受付手数料として徴収できます。ただし、同一の求職者からの申し込みについては月3件分までしか徴収できません。

(注2) 上記のオからケまでの職業については、就職後6か月以内に支払われた賃金の100分の10.8を超える額の手数料を徴収できません。ただし、上記のキ、ク及びケの職業については、就職後1年間の賃金が700万円以上の者に限ります。

出典:「職業紹介事業を利用いただく際によくある質問集(厚生労働省_東京労働局)

 

 

有料職業紹介事業許可がないのにもかかわらず、有料で職業紹介を行った場合は、罰則として1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられてしまいます(職業安定法64条)。

 

 

 

認定制度が存在する

有料職業紹介事業には各種認定制度が存在します。例えば医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度、優良募集情報等提供事業者などがあります。

 

医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度

医療・介護・保育分野というのは、人材不足が特に顕著な分野です。紹介手数料額や採用後の早期離職などの諸事案への対応として創設されたもので、「お祝い金を支給しない」などの法令を遵守していることはもちろん、「取り扱い職種別の手数料の公表」、「転職活動を濫りに助長するような不適切な広告表現・広報活動を行っていない」など一定の基準を満した有料職業紹介事業者を認定する制度です。ファーマキャリアは医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定を受けています。

 

優良募集情報等提供事業者

法令遵守・個人情報保護・募集情報等についての的確な表示、苦情相談対応などについて、一定の基準を満たした募集情報等提供事業者を認定する制度です。

 

優良派遣事業者認定制度

基準に沿った取り組みを行う事業者を優良派遣事業者として認定する制度です。

 

職業紹介優良事業者認定制度

基準に沿った取り組みを行う事業者を職業紹介優良事業者として認定する制度です。適正な請負体制の推進、雇用管理の改善を実現するための管理体制・実施能力が認められた請負事業者を「優良適正事業者」として認定する制度です。

 

製造請負優良適正事業者認定

適正な請負体制の推進、雇用管理の改善を実現するための管理体制・実施能力が認められた請負事業者を「優良適正事業者」として認定する制度です。

 

ファーマキャリアは「医療・介護・保険分野における適正な有料職業紹介事業者」の認定を受けているきちんとした事業者です!

 

 

人材紹介手数料の相場

人材紹介手数料は業界や職種、地域によっても異なります。ホワイトカラーの場合は想定年収の30%前後が多く、企業側のニーズが高い職業ほど人材紹介手数料が高額になります。特に高額なのはエンジニア職で想定年収の40%以上もかかると言われています。

医療業界においては、医師の場合は想定年収の20%前後、看護師は想定年収の25%前後です。薬剤師の場合は他の業界の営業職と同程度の30%~35%。中国・四国、九州などの人手が集まりにくい地域や急募、特殊なポジションを募集する場合は、「手数料アップキャンペーン」と称して80%以上の人材紹介手数料で募集をすることもあります。

そして、会社全体では高めの手数料を設定しており、取引先の事情に応じて手数料率を下げる会社もあれば、一律同じ手数料とする会社もあります。

 

手数料計算の仕組み

<想定年収>月額30万円×12ヵ月分+夏のボーナス2ヵ月分(月30万×2カ月分)+冬のボーナス3ヵ月分(月30万×3ヵ月分)=510万円人材紹介手数料30%の場合:510万×30%=153万円

 

ほとんどの会社では入社してすぐにボーナスを出すということはないと思います!ですが、人材紹介手数料は賞与も含めた形で算出するんですよ。

 

 

ファーマキャリアの人材紹介手数料は以下の通りです。他社の人材紹介手数料に関しては、厚生労働省の職業安定局の「人材サービス総合サイト」に掲載してあります。

ただし、一部の会社では上限金額しか記載されておらず、サービスを利用しない限りは具体的な手数料がわからないようです。薬剤師の人材紹介事業を行う各社を比較すると、総合人材系(様々な職種を扱う人材紹介会社)ほど人材紹介手数料が高い傾向にあります。もしかしたら、他の職種とのバランスもあるのかもしれません。詳細に関してはご自身で調べてみてください。

 

参考:厚生労働省の職業安定局の「人材サービス総合サイト」

 

 

【ファーマキャリアの人材紹介手数料】
・求人受理時の事務費用
0円

・求人・求職の申込みを受けた求人者・求職者に提供する紹介サービス およびこれに付随するサービス
職業紹介が成功した場合における当該求職者の年間 賃金の 35%とします。なお、求人条件その他の状況により求人者と合意した場合は、その金額とします。 この場合でも、当該求職者の年間賃金の 100%また は 1000 万円のうち、いずれか高い方を上限とします。手数料の負担者は求人者とします。

 

サービスを提供した場合における当該求人の年間想 定賃金を基準に、前項の金額を上限として求人者と 合意した金額とします。手数料の負担者は求人者とします。

 

特定の条件による求職者の開拓や そのための調査・探索およびこれに付随するサービス :

職業紹介が成功した場合における当該求職者の年間 賃金の 35%とします。なお、求人条件その他の状況 により求人者と合意した場合は、その金額とします。 この場合でも、当該求職者の年間賃金の 100%また は 1000 万円のうち、いずれか高い方を上限とします。手数料の負担者は求人者とします。

 

サービスを提供した場合における当該求人の年間想 定賃金を基準に、前項の金額を上限として求人者と 合意した金額とします。手数料の負担者は求人者とします。
※上記手数料には、消費税は含まれておりません。別途加算となります。

※労働契約における契約期間が 1 年に満たない場合は、契約期間を 1 年間とした場合の年 間想定賃金を算定基礎とします。

 

出典:「ファーマキャリアの人材紹介手数料(厚生労働省職業安定局)」

 

編集部にて調べたところ、以下の会社は手数料額の上限値以外に関しても公開していました。【2024年12月現在】人材紹介手数料は、変わることもありますので最新の情報に関してはご自身でお調べください。

 

薬キャリエージェント

新卒薬剤師:90~100万
一般薬剤師:25~30%
管理薬剤師等:30~35%

 

出典:「エムスリーキャリア株式会社 取扱職種別手数料一覧(エムスリーキャリア)」

 

ファルマスタッフ

薬剤師・登録販売者:理論年収の30~35%
※ 上記手数料率は、平均的な例であり、地域性、緊急性、紹介難易度、及び需給環境の変化等の事情により変動します。

 

出典:「職業安定法に基づく情報公開(ファルマスタッフ)」

 

 

人材紹介手数料の総額および単価は上がっている

一般社団法人日本人材紹介事業協会の発表によると、2022年度における 人材紹介手数料総額は全職業総計で 24.1%増加、 職業別では「事務的職業」が 32.8%と最も増加し、次いで「販売の職業」が 26.4%、 「管理的職業」が 25.7%、「専門・技術的職業」が 20.8%とそれぞれ増加したことがわかりました。これは就職件数の増加が原因とされています。

就職1件当たりの手数料額(単価) では、全職業平均で 5.5%増加し、職業別では「管理的職業」が2.0%減りましたが、薬剤師が該当する「専門・技術的職業」をはじめ他の職業ではいずれも増加しています。

出典:「人材協、2022(令和 4)年度分「業況調査」を発表 (一般社団法人日本人材紹介事業協会 )」より筆者が作成

 

現在日本は、どの業界も少子高齢化に伴う人手不足ですので、人材紹介手数料率の高騰は避けられないのかもしれません。

 

返戻金制度がある会社とない会社がある

払戻金制度とは、人材紹介手数料に関する返金制度のことです。一定期間の間に求職者が退職した場合*1、企業側が支払った人材紹介手数料の一部を返金するというものです。有料職業紹介事業者の中には返金制度がある会社とない会社が存在します。その理由は法律上、払戻金制度を設ける必要がないからです。

 

ファーマキャリアは「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者」の認定を受けているため、返戻金制度が存在します。「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者」の認定ができるまでは、払戻金制度を就職後3ヶ月以内までとしている人材紹介会社が多くありました。しかし、この制度の創設により「就職後6ヶ月」に延長した人材紹介会社が複数あるようです。

 

ファーマキャリアをはじめ、認定制度ができる前から「就職後6ヵ月以上」の払戻金制度を設けている会社はいくつか存在していました。ファーマキャリアでは創業当時から払戻金制度を設けているのですが、これは自分たちのサービスに自信があるからこそできること。求職者の方はもちろん、事業所の方々にも良質なサービスを提供できるよう日々努めています。払戻金制度を設けていない会社に関しては要注意!「人転がし」といって同じ求職者を様々な職場に紹介して人材紹介手数料を稼ぐ悪質な業者もいますよ!

 

*1退職理由に関しては基本的に求職者都合による退職のみです。

 

 

医療・介護・保育分野における払戻金制度の創設に関して

医療・介護・保育分野に関する有料職業紹介事業者の認定制度では、人手不足を背景に職業紹介事業者に支払う紹介手数料に対する負担感が強く、また、一部の三分野の事業者において短期間での離職が多いとの指摘があることを踏まえて2024年より払戻金制度を設けることが必須となりました。

 

払戻制度の必須基準

求職者が就職後6ヶ月以内に離職した場合の返戻金制度を設けていること。及びその具体的な内容(例:在籍月数と返金率、返戻する場合の条件等)を明示すること。

 

さらに、 「求人者から紹介手数料及び返戻金の設定方法について説明を求められた場合、 紹介手数料及び返戻金に関する統計データ等を用い、自社のサービス内容や紹介手数料及び返戻金を設定した理由を説明することで求人者の理解を得ていること」が基本条件となっています。

 

参考:「医療・介護・保育分野における 職業紹介事業について(職業安定分科会 労働力需給制度部会資料(第365回)」

 

 

ファーマキャリアの払戻金制度

ファーマキャリアの払戻金制度は以下の通りです。

 

ファーマキャリアの払戻金制度

入職の日から一定期間内に、求職者が専ら当人の責に帰すべき事由により退職した場合、入 職の日から退職の日までの期間に応じて、手数料の一部を返金します。 入職後 14 日未満で退職した場合は 90%、入職後 1 ヶ月未満で退職した場合は 50%、入職 後 2 ヶ月未満で退職した場合は 30%、入職後 4 ヶ月未満で退職した場合は 20%、入職後 6 ヶ月未満で退職した場合は 10%、入職後 12 ヶ月未満で退職した場合は 5%の返金を行いま す。 ただし、求人者と別途合意した場合は、その内容とします。

 

出典:「返戻金制度について(厚生労働省職業安定局_人材サービス総合サイト)」

 

比較として、薬剤師の人材紹介事業を行うマイナビ薬剤師(マイナビ)、薬キャリエージェント(エムスリーキャリア)、ファルマスタッフ(メディカルリソース)の払戻金制度を記載します。あくまでもインターネット上にある情報です。最新の情報は直接各社にお問い合わせください。(2024年12月調べ)

 

マイナビ薬剤師

  1. 当社の職業紹介により入社した求職者について、入社日から90日以内に自己都合を理由に退職された場合、当社は求人者から支払いを受けた紹介手数料の50%を返金いたします。
  2. 学校卒業見込者を対象とする職業紹介については、入社前であっても、求職者に帰責性 ある入社辞退の場合は、当社は求人者から支払いを受けた紹介手数料の100%を返金し、入社後については、求職者に帰責性ある入社月内の退職に限り、当社は求人者から支払いを受けた紹介手数料の50%を返金いたします。

 

上記いずれにつきましても、契約書および覚書等で別途定めた場合は当該定めによりますので、詳細は契約書・覚書等をご確認ください。

 

出典:「返戻金制度について(厚生労働省職業安定局_人材サービス総合サイト)」

 

 

薬キャリエージェント

職種や契約内容によって異なる場合があります。

 

在職期間 1 ヶ月未満 : 50~100%
3 ヶ月未満 :20~50%
6 ヶ月未満 :0~10%
12 ヶ月未満 : 0~5%

 

出典:「返戻金制度について(厚生労働省職業安定局_人材サービス総合サイト)」

 

 

ファルマスタッフ

当社の紹介により就職した入職者が入職後6ヶ月以内に本人の都合による退社、又は本人の責めに基づく解雇により退職した場合、受領した紹介手数料から次に定める金額を求人者に返還いたします。

 

入職後1ヶ月以内に退職した場合:紹介手数料×80%

入職後1ヶ月超2ヶ月以内に退職した場合:紹介手数料×50%

入職後2ヶ月超3ヶ月以内に退職した場合:紹介手数料×20%

入職後3ヶ月超6ヶ月以内に退職した場合:紹介手数料×10%

 

出典:「職業安定法に基づく情報公開(メディカルソースホームページ)」

 

利用したい人材紹介会社に払戻金制度があるかどうかは、各社のホームページや厚生労働省職業安定局の「人材サービス総合サイト」等で確認してみてください。トラブルを防ぐためにも、契約する前にきちんと返戻金制度を確認しておきましょう。

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